2011年09月19日

それぞれの被災

大学時代の南東北の同級会で、秋保温泉の老舗「佐勘」に泊まってきました。
プライベートではこのような大型旅館に泊まることはないので、充実した施設の旅館は久しぶりです。
参加者は17人。中には石巻、東松島、南相馬、いわきからの参加者もいて、飲む前からも飲みながらも飲んだ後も、それぞれの被災状況報告で盛り上がりました。
担当仲居のSさんはまだ18歳の新入社員さん。競争率10倍くらいから採用されたようで、その接遇振りもまだ3ヶ月足らず(4月採用が遅れて7月から)とは思えないほどしっかりしていて、汗をかいて仕事をする様子にみんな感心しきりです。
受付募集でこんな子が面接に来たら、その場で一発採用間違いなしとは、皆の一致した意見でした。
彼女も自宅が石巻で、家族バラバラの状態で震災に合い、車の中で45日間生活したそうで、聞いただけで心が痛みました。
「こんな酔っ払いのおじさんたち、イヤでしょ?」と聞くと、手を振って否定しながら「イヤイヤイヤ・・」と、笑いながらきちんと3回も「イヤ」と言ってくれました。
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[酔っ払いのオジサンと]










それぞれに震災直後の大変な状況をどんな風に乗り切ったかなどを報告し合い、スタッフや後輩など身近な人が亡くなった話などをしたり、部屋に戻ってからは酔いつぶれる人はとても見せたくない格好で意識不明になったり、話している人は異常に盛り上がったりと、震災後半年がたち、それぞれに復興へ進んだ過程を聞いて、同情したり感心したり、震災の影響で大繁盛している友人もいたり、お互いの無事を祝福、ふと気がつくと日付が替わっていました。
写真はオッサンたちの醜態なので、見たくない人はスルーしてください。
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 [酔っ払いたち]



urutorahurosu at 14:30|PermalinkComments(1)今日このごろ 

2011年09月16日

パスタと天ぷら

富山市内のチンチン電車の後はやはり岩瀬浜までのライトレール。
去年、初乗車して周辺の散策をしているので、今回はただの乗り鉄、時間つぶし。
窓の水滴ごしに撮影すると、天然のソフトフィルターになります。
クリック拡大すると、フィルター効果がわかるかな?
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[雨のフィルター]








岩瀬浜駅に着く頃には雨が本降りになったけど、あいにく傘はホテルに忘れてきたので、近くの岩瀬カナル会館という観光会館へ走って駆け込んで、館内のシーフードレストランで昼食です。
せっかく富山に来たのだからと「白エビとアサリのパスタ」を注文。
たしかにパスタの中には白エビとアサリが入っていますが、パスタの上にはなんと白エビの天ぷらが乗っているのです。
蕎麦が好きなので駅ソバはよく食べるのですが、蕎麦に天ぷらはもちろん合います。
パスタも好きで、パスタにはどんな材料も合うと思っていましたが、ここでパスタに天ぷらは合わないということに初めて気がつきました。
よく考えてみれば、パスタはオリーブオイル。天ぷらはサラダ油やゴマ油。
2種類の油物を同じ皿で一緒に食べて美味しいわけがありません。
いやいや、パスタも天ぷらもそれぞれにはとても美味しいのですよ。
でもパスタの上の天ぷらには、やはり醤油をかけたかったのです。
誰か、「天ぷらパスタ」って、食べたことがありますか?
食べかけてから慌てて撮ったので、手前のパスタが乱れています。
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 [天ぷらパスタ]



2011年09月14日

越中富山の薬売り

今にも雨が降りそうな空模様。
駅観光案内所のおネエさんに「雨でも見られる富山市内観光は・・?」と聞いたら教えてくれたのが、越中富山の薬売りの資料館2ヶ所です。
スタートの電鉄富山駅に到着電車からは、元気な高校生がたくさん降りてきて、これも狙っていた写真です。
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[朝の光景]








一日乗車券で電鉄富山駅から南富山へ、レトロなチンチン電車に乗り換えてのんびり乗り鉄をしながら観光します。
美人の女性運転手さんに後ろ髪を引かれる思いで、途中下車して広貫堂の工場敷地内の資料館へ。
無料で見学できるのに、ドリンク剤のサービスは甘すぎて一口しか飲めません。
資料館にはいろいろなパッケージの富山の置き薬があって、これをコレクションするのも面白そうですなぁ。
そういえば小学生の頃、「薬売りのおじさん」がくれるお土産の紙風船が楽しみだった。
そうそう、こんな薬のパッケージが我が家にもあったのを、なんとなく覚えています。
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 [今昔パッケージ]










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[頭痛薬]








確か、結婚してからも前の家にはこんな箱があったような・・今はないようです。
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 [置き薬]











また市電に乗って繁華街の中の池田屋さんへ。ここは団体さんが次々来店して、店内では昔の丸薬つくりの実演などを見せてくれます。
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[老舗]








「先用後利」という「用いることを先にし利益は後から」とした基本理念の販売方法は、現代でも通用するうまい経営戦略だと、つくづく思ったのでした。
次はライトレールで岩瀬浜へ。




2011年09月11日

万葉線乗ったり降りたり

風の盆の撮影は夜なので、日中はしっかりと乗り鉄・撮り鉄で鉄分補給です。
今回は高岡市のチンチン電車万葉線。
新しくなったばかりの高岡駅前から越ノ潟まで約40分と、結構乗り応えのある電車で、最新のアイトラムと、ネコ電車やいろいろなラッピングで化粧した旧型車輌の7000系が、15分間隔で走っています。
1日乗車券800円を購入して、まずは終点の越ノ潟までアイトラムで。
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[終点]









終点の先は無料のフェリー乗り場。これで富山市のほうに渡ることもできるのです。
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 [渡船場]











越ノ潟から折り返し、沿線散歩。
併用軌道区間では、道路に書いただけの電停もあり、ここで電車を待つのは勇気が要りますね。
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[電停]








新湊は橋の町。ステンドグラスや大きなオブジェの橋など、さまざまな橋が内川にかかっています。
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 [橋の町]











ユニークな耐震工事の家を発見。
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[耐震工事]








超激安洋品店も大発見。クリックして値段を見てください。
値段もゼロ円、お客もゼロ。
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 [タダ洋品店]











旧型車輌も味わい深く、これぞチンチン電車。運転手さんは元気な女性でした。
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[乗務員交代]








米島口の車輌基地では、ねこ電車も点検整備中。
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 [整備中]











そうそう、本当はこの写真が撮りたかったのです。
ハイコントラストにするとこんな感じ。これだけクリックしてみてください。
内川を渡るアイトラムの作品A。
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[内川を渡る]




2011年09月09日

風の盆撮影(番外編)

風の盆は第一夜、第二夜に続いて第三夜の予定でしたが、チンタラ台風の影響で、金沢から西のJRはすべて終日運休。
駅では「明日は富山も運休の可能性あり」と何回も放送しているし、へたをすると帰れなくなる可能性があるので、第三夜目の夕方に富山を出て東京まで出ることにしたので、第三夜の撮影は中止にしたので「番外編」です。

風の盆の期間中、富山駅では女性の駅員さんが浴衣に編み笠姿で改札をしてくれるのですが、これがまた艶っぽいじゃありませんか・・
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[改札口]








八尾の町を歩いて見つけたのが若い女性が踊りで着る浴衣。値段は24000円。
でもこの浴衣を着ることができるのは、25歳以下の未婚女性だけで、25歳以下でも既婚の女性は着ることができないのだそうです。残念でした。
この柄は、本当に素敵ですよね。
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 [未婚限定]











つくづく思ったのは、八尾の人々というのは、この3日間のためだけに生活している「プロの舞踏集団」ではないのかということでした。
祭りや踊りといえば笑顔がつきものですが、風の盆の踊りには一切笑顔がありません。
これはこの踊りが高山地方から伝えられた仏事に由来するものらしく、本来私たちのような観光客目当ての行事ではないということなのです。
なので、観光客は「踊りを見させていただく」というスタンスで訪れるべきなのかもしれません。
ストロボ撮影も、本来は慎むべきなのかもしれませんが、町流しのスタッフに聞いたところ、快くOKしてくれました。
この写真はストロボなしの高感度撮影です。
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[幻想夜]








歩くということはまさに全身運動。
翌日、体のあちこちに筋肉痛を感じて、それを実感したのでした。



urutorahurosu at 06:41|PermalinkComments(3)写真の話 

2011年09月07日

風の盆撮影(第二夜)

自転車並み速度の週末の台風のために雨が予想されたので、トレッキングシューズで足元をかためて、もしかしたらの希望を持って19時半頃に越中八尾駅へ。
やはり小雨が降ったり止んだり。しかも人出は前夜よりもかなり多いのです。
たいした雨ではないのですが、町流しはどこもやっていないし、各町内の集会場などの屋根のある施設の2Fで外の観客に踊りを見せていましたが、とても写真になりません。
日本の道100選に選ばれている人気の諏訪町まで歩くと、もうそこは「中高年の竹下通り」状態で、今から街流しがあるとの情報があると、そちらへどんどん人が流れます。
でもまた小雨が降って結局中止になると、どんどん戻ってきます。
諏訪町の町屋の2階では、小学生の女の子が観客のために窓をはずして、おばあちゃんたちの歌と演奏で踊ってくれました。
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[小舞台]








その町屋の1階では、囲炉裏を囲んで酒盛りと男女一組が踊り、風の盆の夜を楽しんでいますが、これがまたいい雰囲気なのです。
写真の立っているじいちゃん2人が交代でおわら節を歌っています。
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 [風の盆夜]











その先の集会場の入り口では、降る雨を恨むように、胡弓と三味線の演奏者が越中おわら節を歌い、あたりはそれに酔いしれます。




[越中おわら節]














小雨の中帰途につく途中、運良く集会場前の踊りを最前列で撮影。
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 [酔夜]











踊りの終了とともに小雨はどしゃ降りになり、傘を差して駅に急ぎました。



urutorahurosu at 06:06|PermalinkComments(2)写真の話 

2011年09月05日

風の盆撮影(第一夜)

二百十日の頃の台風の風をおさめて豊作を祈願する行事にふさわしく、台風直撃になりそうな3日間。
少しの雨でも中止になるので、3泊すれば1回くらいは降らない日があるのではという希望を持っていましたが、一夜目から夕方に雨が降ってしまいました。
雨上がりの富山駅、20時半過ぎの電車は台風の影響と夕方の雨、おまけに平日ということで、特に混むこともなく越中八尾着。
駅前から中心部への道は人が多く、ちょうど混雑時のアメ横のような感じ。
でもよく観察すると、行く人よりも帰る人がずっと多いようです。
駅から町の中心部までは徒歩30~40分。とにかく体力勝負でひたすら歩きます。
以前バスツアーで初めて来た時には、ジリジリと西日の差す大混雑の富山駅ホームで2回電車に乗れず、やっと着いた思ったら、しばらくして雨が降って中止という悔しい思い出があるので、今回は徹夜覚悟でしたが、空模様が安定せずに徹夜はあえなく取り止めます。
風の盆は各町内毎に踊るのですが、基本の踊りは同じでも、舞台やお店の前、町流し、輪踊り、屋内の座敷と、いろいろな場面に合わせてのフォーメーションがそれぞれ違うようです。
街の中をあちこち歩きながら、境内の舞台や、お店の前、そして狙いの町流し、帰り間際の大きな輪踊りを撮影。
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[闇夜に踊る]

人出は多いものの、町流しでは追っかけができる程度の混み具合で、かなりラッキーでした。
編み笠をかぶっているのですが、傘の下から女性の口元がちょっと見える感じや、うなじが日本の色気を感じます。




[町流し]














灯篭の灯りが編み笠に透けて、雰囲気を盛り上げます。
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[町流し]

長時間の電車のあとと不安定な空模様なので徹夜はあきらめ、帰る途中で大きな輪踊りを見つけました。
少しの時間の撮影でしたが自分なりの「今日の1枚」が撮れました。
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[輪踊り]









風の盆の踊りは、女性の踊りと男の踊りがありますが、今日は闇夜に映える女性の踊りをアップしました。
全部クリック拡大してどうぞ。




urutorahurosu at 05:34|PermalinkComments(3)写真の話 

2011年09月01日

命を守る歯ブラシ

1995年の阪神淡路大震災後、震災関連死の中で最多の24%を占めたのが誤嚥(ごえん)性肺炎でした。
震災の被災者の人々は、避難所生活で満足にハミガキもできずに、口の中を清潔に保てなかったことで、細菌が肺に入り223人が亡くなったのです。
これは意外に知られていないけれど、とても重大な事実なのです。
今年の東日本大震災ではこの経験を生かし、前被災地の神戸市をはじめ各地区の歯科医師会や歯科関係の団体から、たくさんの歯ブラシが被災地に送られました。
同時にポスターによる歯みがきの啓発も徹底して行われました。
その結果、口の中のケアが被災地の多くの命を守ったのです。
このように歯は命と直結しています。口の中は一つの臓器です。
「歯が1本ない」ということは「体の一部がない」ということと同じです。

そんなことを考えながら、たまにはこんな楽しい歯ブラシでブラッシングを楽しんでみませんか?
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[命を守る]









今日から4日間、台風直撃の富山へ「風の盆」を見に行きます。
次の記事は4日後に。


urutorahurosu at 04:20|PermalinkComments(15)歯にまつわる話題 

2011年08月29日

居酒屋の「居」

居酒屋の「居」は居心地の「居」。
週末の夕方に少し歩いてみたくなり、30分ほど歩いて中心街の焼き鳥屋さんへ。
たぶん昭和初期建築の家を改築した焼き鳥屋さん。
自分が高3まで住んでいた場所のすぐそば。子供の頃に遊びに来ました。
当時は確かガラス細工の職人さんの家で、今焼き鳥が焼かれている場所で、おじいさんが右目にルーペをはめて仕事をしていたのを子供心に覚えています。
宝石の形にカットしたガラスを片手に一つもらったことが何度かあって嬉しかった。
今、焼き鳥を焼いてくれるひげ面のマスターも職人さん。
灼熱の備長炭で、水分(アルコール)補給しながら、焼き鳥や塩ホルモンや焼きおにぎり、イカの一夜干などを焼いてくれます。
落陽を見ながら、かすかに秋の訪れを感じながらの散歩の後、居心地のいい場所でのビールは、本当にうまい。
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[職人]

urutorahurosu at 07:01|PermalinkComments(3)今日このごろ 

2011年08月27日

おきざりにした悲しみは

政治家にとって被災地復興などは、もうどうでもいい話みたいです。
候補者乱立の代表選、これこそどうでもいいのです。
「玉石混交」どころか「屑石混交」で見苦しいかぎり。
わが地元選出のセンセイも立候補、TVで中身も具体策もなにもないコメントに赤面します。恥ずかしい。
復興計画ができても予算措置が付かないので、何も動けない被災地です。
置き去りにされた被災地の悲しみを、口先だけの政治家は誰もわかっちゃくれない。
地方の意思を何も反映しない国会議員だけで選出する代表選。
地方は興味もありません。
写真は永田町のセンセイたちをイメージして、玉石混交ならぬ「グチャグチャ」
中が空洞だったり、完全に潰れていたり・・
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[グチャグチャ]

urutorahurosu at 06:48|PermalinkComments(5)今日このごろ