谷底の温泉宿へ峡谷の水の色

2017年09月11日

真夜中の感動

え~、祖母(ばば)谷の続きです。
今宵の宿は崖に作られた一軒宿。
ロケーションはこんな谷の中です。
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[ばば谷]















ちょっと見は普通の家に毛が生えた程度の建物で、部屋数10室、民宿と言っても通用する感じです。
考えてみると、崖に作られているので、旅館として利用できるスペースはそう広くないわけですよ。

後でわかったのですが、玄関が3階にあり、4階の自分の部屋は玄関から階段を少し上がった最上階で、屋根の上に物干し場のように作ったデッキのような場所にも出られます。

週末一人泊で+2000円、トイレ付きの部屋なので+2000円。
ちょっとお高いんじゃないのと思ったのでしたが、二人でトイレなしの部屋に泊まれば、そう割高感のない宿泊料になるわけですな。

風呂は1階に男女別内風呂。
崖に作ってあるので、脱衣所も風呂場も崖の岩の一部がむき出しです。

玄関を出て外の階段を下ると、男女別の露天風呂と貸切風呂が一つ。
部屋数が10室の規模なので、どの風呂もそう大きくありません。

週末なので意外と立ち寄り湯の客が多そうだったので、この浴槽の広さとこの客の数ではお湯がとんでもないことになっていると思って、その日は宿泊客専用の貸切湯だけに入りました。
予約順で3番目だったのでまだいいでしょう。

お湯はぬるめで、温泉の質は東北の温泉天国にかなうわけもありませんが、川音を聞きながらゆっくり制限時間の40分浸かれます。

この旅館は食事がおいしいと口コミに書いてありましたが、黒部会席と称する夕食で、一見秘境には似合わないワイルド感のない上品な料理です。

全部の料理写真はアップしませんが、一番良かったのがこの山野草の天ぷら。
真ん中の茶色の葉っぱはゲンノショウコ。
ほぼ材料代ゼロの料理ですが、この方がいいです。
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 [山野草]












焼き物も地元のナントカ豚2切れとコゴミなど、全体的にボリュームがあまりないのでほぼ完食できました。
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[ナントカ豚]









最後のデザートもお上品で。
全部クリックしてど~ぞ!
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 [デザート]











さて題名の感動とは、この料理のことではありません。
ここからが本題ですが、写真がないのです。

この旅館はテレビがないので、5時半からの食事の後はもう8時頃に寝てしまうわけです。
8時に寝れば、当然のごとく夜中の1時頃にいったん目が覚めるわけです。
瓶ビールも2本飲んでいるし。

ふとベランダのカーテンを開けると、最初の写真の谷の上の空に星がたくさん出ています。
急いで枕元灯を消して部屋を真っ暗にして外に出てみると、まるで宝石箱をひっくり返したようなすごい数の星。

金星くらいの明るさでキラキラ瞬いている星や、ずっと同じ明るさで存在している星、よく見ると色も微妙に違います。
ベランダに置いてあるウッドチェアに座ってしばらく夜空を見上げて、超感動のひと時。
BGMには祖母谷川の流れの音。

これほどの密度の星は過去に見たことがありません。
さすが黒部の空気は澄んでいるんだなと実感しました。
黒部恐るべし。

カメラを構えてみましたが、当然のごとく暗くて何も写りませんでしたが、これだけでこの旅館の割高感は吹っ飛びました。




この記事へのコメント

3. Posted by ブルースカイ   2017年09月11日 09:35
Kusakabe-dcさん
とても感動的な一夜でしたね。さぞかし、万天の星だったと思います。谷底ですので、視野が限られていますが、山頂の山小屋なら360度のフルハイビジョンですね。今月末、長野の温泉へ星空を見に行く予定ですが、結果はお天気次第です。
山好きの知人は黒四ダムから黒部峡谷の崖道をこの宿まで単独行しました。その脚力と度胸に驚きました。日本最大の秘境、難路だと言われますが、若いうちに行くべきでした。
2. Posted by かぷりこ   2017年09月11日 21:31
kusakabe-dcさん今晩は(^-^) ♪ 綺麗そうですね ^ - ^ 私の星空綺麗Maxは知り合いに連れて行って貰い、その後友人と3人で、それからも余りに綺麗なのを見せたくてその後妹を連れて見に行った事のある、岡山県の美星町が今までの星空綺麗の一番です。流れ星も幾つも見えてきキラキラ綺麗だったな~(#^.^#) kusakabe-dcさんの記事を読んでいたら黒部の星空を想像しながら、リアルに美星町の夜空迄思い出して思わずコメントしてしまいました。谷川の流れる音を聴きながらなんて何とも贅沢な時間ですね(^-^)
1. Posted by 福島太郎   2017年09月12日 03:29
漆黒の闇・・・というのは
私が過ごした子供時代の田舎は
まさに・・・そのようなものでした。
自分の顔もさわれない?・・・・ほどでしたね。

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